ブックタイトル伝え残したい童謡の謎ベスト・セレクション

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概要

伝え残したい童謡の謎ベスト・セレクション

13七つの子■ ■「七つ」は「七羽」か、「七歳」か? 発表直後に児童雑誌『金の船』に掲載されることで、この歌は一気に子どもたちの人気作品となる。その際、挿絵を岡おか本もと帰き 一いちが描いている。その挿絵には七羽のからすが描かれているのだ。そんなことから、「七つの子」イコール〝七羽のからすの子〟だとされてしまったのだ。 ところがこんな疑問が生まれた。「ひとつの巣に7羽の子がらすがいる光景は見たことがない」。私も分からず、山やま階しな鳥類研究所に問い合わせしたことがある。 すると「からすは一度に7つも卵を産まない」と言うのである。だからひとつの巣に7羽のからすがいることはないのだ! っていうことは、どういうことなのか? 調べると、からすの卵は一度に3個から5個。現在まで7個の卵が生まれたことはないという話だ。さらに生まれた数個の中で孵ふ化かするのはせいぜい1羽か2羽。卵として生まれても巣から落ちて割れてしまったり、また卵のにおいをかぎつけて、大きな鳥やヘビなどの動物に巣を荒らされ犠牲になることもある。 と、なれば「七つ」は「七羽」ということにはならないわけだ。