ブックタイトル帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海

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概要

帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海

21第一章 日本人にとっての神道と海の神に出ていった人間たちもいたという研究も、最近ではなされている。ともあれ、豊富な水産資源に恵まれた集落を中心に、縄文人の生活は発展していった。海に出た男たちは、大海原に畏い敬けいの念を抱いたに違いない。食物を生む海、荒れて人間を寄せつけない海、計り知れない力を持つ海に、当時の人々は人間の力の及ばないものを見ただろう。そしてそれがやがて神と呼ばれるものとなったのかもしれない。船には守り神「船霊」が祀られている先に触れた船霊(船玉と書く場合も)とは、海の民が航海の安全、大漁を願って広く信仰する、船の守護神のことである。この神は、古来ほぼ日本全国で信仰されている。船霊はふつう、新造した船の船下し(ダイオロシともいう)の直前に、船に込められる。船霊を祀るのは、おもに船大工だ。船の完成後、船大工の棟梁は神様を祀る儀式を執り行なう。帆柱(マスト)の受け材である筒の下部に穴をあけて、ご神体をその中に安置する。このご神体にはさまざまなものがあり、男女一対の人形や、一二文の銅銭だったりする。ま