ブックタイトル帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海

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概要

帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海

27第一章 日本人にとっての神道と海の神こうして日本人は、人知を超越した力が宿ると思われていた言葉や音、大自然などさまざまなものに対し、畏敬の念を抱いてきた。日本人の精神性をとてもよく表わしているといえるだろう。氷川神社の神さまは民間船もまもっているちなみに艦内神社が鎮座するのは、軍艦だけではない。日本の神様はあまねく船をまもるものであり、当然それは民間船も、まもる対象に含まれる。たとえば完成から八四年を数え、いまも横浜港の山下公園の大さん橋に繋留されている貨客船「氷川丸」。戦前に造られた貨客船で唯一現存するこの船には、前述した大宮の氷川神社から分祀された艦内神社がある。昭和五年(一九三〇)、「氷川丸」は、シアトル航路を運航する船として建造された。貨客船を所有する日本郵船は、当時船名に地名などをつけていたが、シアトルやサンフランシスコなどの看板航路に投入する船には、神社の名前をつけていた。そのうちの一隻が「氷川丸」である。