ブックタイトル帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海

ページ
30/40

このページは 帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海 の電子ブックに掲載されている30ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海

28この船の操舵室に、艦内神社は鎮座している。この神棚に対して運航当時から船長らが参拝しており、今でもそれは続いているという。内装はフランスのデザイナー、マルク・シモンによるアール・デコ調のデザイン。中央階段の手すりには氷川神社の「八雲」の神紋と、榊さかきを入れる壺つぼのような紋様が見られる(次ページ)。また、氷川神社本殿には氷川丸の救命浮き輪と羅針盤が奉斎されている。民間の船と神社にも、つながりが存在しているのだ。記紀に見られる海を越えた戦いと神社信仰日本は四方を海で囲まれており、現代のように飛行機が発達するまでは、海路が重要な交通手段であり続けた。昔から海神に多くの捧げものが寄せられたほか、およそ八万点にものぼる古代の祭祀奉納品が国宝にまでなっている宗むな像かた大たい社しやのような例もある。また船ふな 戦いくさを得意とし、海上貿易で巨万の富を得た平家は、厳いつく 島しま神社を崇敬して、現在あるものと同規模の豪壮な社殿を建築した。そこに奉納された「平家納経」も国宝として