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概要

日米開戦の正体

33 序章 なぜ今、真珠湾への道を振り返るのか開戦並びにフィリピンなどに侵攻するという(日本の)最終的決定は重要な地位にある全陸海軍指導者並びに政府要人の完全なる意見の一致と積極的な承認によって定められたのである。実際に一九四一年十月までに行なった次のごとき情勢判断に基づいている。A 満州側面におけるロシアの脅威はドイツ軍のヨーロッパにおける圧倒的勝利によって消滅した。B 大英帝国は挽回することのできないほど守勢的立場にある。C 米国およびその連合国が直ちに太平洋に展開し得る兵力、特に空軍兵力は、十分に訓練されかつ動員された日本軍を阻止することが困難である。三、四カ月のうちに日本軍はビルマ、スマトラ、ジャワなどそれから北に延びて千島に至る線で囲まれる全地域を占領し得るであろう。D ビルマ公路を切断された支那は孤立し和平を乞うであろう。E 大英帝国の援助にやっきになり、さらに真珠湾攻撃により痛撃を受けた米国は来るべき一八カ月乃至二カ年のうちには攻撃を取るに十分なる兵力を動員し得ない、この期間に円周防御線を堅固に構築し、かつ必要な前進飛行場並びに基地飛行場を建設することが可能となる。F これら占領された強固な防御が戦争を継続する米国の決心をにぶらす反面、日本はポーキサイト、油などを獲得し、これらの物資を日本に輸送して加工し日本の生産並びに軍