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概要

日米開戦の正体

56欧州戦線と真珠湾の関係を整理しておきたいと思います。ルーズベルトは参戦したかった。そのためには米国が攻撃される必要がある。その役割が真珠湾です欧州戦線と真珠湾攻撃への道を整理すると、次のような構図になっていました。① 第二次大戦開始で英国はドイツに何時攻撃されるかという極めて厳しい状況に追い込まれていた② これを避けるためには、ドイツがソ連との戦端を開き、ドイツの力が二分されることと、米国の参戦を強く望んだ③ しかし、米国国民はドイツとの戦争開始に反対で中立の姿勢を崩さなかった④ 米国の空気を変えるためには、誰かが米国を攻撃すればいい。ドイツは挑発に乗らない。三国同盟の一つ、日本が米国に攻撃すれば、自動的にドイツと戦争ができる④について、野の村むら吉きち三さぶ郎ろう駐米大使も危惧を抱いていました。彼は赴任前、一九四一年一月十五日、東久邇宮殿下に「日本から戦争を仕掛けない◎野村吉三郎(のむらきちさぶろう/一八七七‐一九六四)海軍軍人、外交官、実業家、政治家。海軍兵学校卒業後、在米日本大使館駐在武官などを務め、ワシントン軍縮会議にも随員として出席。国際法に詳しく、一九三九年組閣の阿部信行内閣で外務大臣に抜擢される。二年後、駐米大使に就任し日米開戦まで外交交渉に当たった。戦後、参議院議員となる。写真提供/毎日新聞社