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概要

日米開戦の正体

86申し訳ないのですが、今日の日本の混乱は渡辺恒雄氏によるところが多いと思っていますので、信頼するという気持ちもさしてなく手にしました。でも内容は素晴らしいものを含んでいました。その一つがメディア批判です。満州事変後、新聞各紙は、特派員を大勢派遣し、軍部の動きを逐一報道した。それにあおられるようにして、国民は好戦的になっていった。「満蒙は帝国の生命線であり、必ず守らなければならない」という世論は、新聞によって形成されたとみてよい。新聞各紙とも、満州国独立構想、リットン報告、国際連盟脱退などを追い続け、戦況報道によって部数を飛躍的に伸ばしていった。利潤の追求が、言論機関としての使命より優先されていった。関東軍が、満州国に国民の支持を得ようと、新聞を徹底的に利用しようとしたのも確かだ。しかし、軍の力がそれほど強くなかった満州事変の時点で、メディアが結束して批判していれば、その後の暴走を押しとどめる可能性はあった。たぶん今日にも該当する批判です。右引用の最後の部分、「軍」を「安倍政権」と置き換えてみます。「安倍政権が、国民の支持を得ようと、新聞を徹底的に利用したのは確かだ。しかし、安倍政権がそれほど強くなかった時点で、メディアが結束して批判していれば、その後の暴走を押しとどめる可能性はあった」