ブックタイトル「怒らない体」のつくり方――自律神経を整えるイライラ解消プログラム

概要

「怒らない体」のつくり方――自律神経を整えるイライラ解消プログラム

23第1 章その「怒り」があなたの人生を狂わせる「何にもつかまらずに携帯をいじってるから、バランス崩すんだろ？　手すりでもつかんどけって！」　どうやら隣の若者は電車が揺れるたびに中年男性に何度もぶつかり、中年男性の堪かん忍にん袋ぶくろの緒おが切れた、というところでしょうか。「混んでる電車で何にもつかまらないなんて、何考えてるんだ！」「……」　中年男性は、怒ど鳴なれば怒鳴るほど、さらに怒りが増すようです。若者は中年男性の迫力に気け圧おされたのか、何も言わずに、軽く頭を下げました。「なんだよ、それ。謝るなら、ちゃんと謝れ！」　若者は、今度は深く頭を下げ、小声で「すみません」と謝りました。さすがに、謝られるとそれ以上怒るわけにはいきません。「ったく、最近の若者は」　中年男性はまだ唇を震わせながら、ぶつぶつ文句を言い続けました。　その中年男性は次の駅で降りるときも、まだ怒りのオーラを全身から発していました。まわりの人は「触さわらぬ神にたたりなし」とばかりに、体をよけていました。