ブックタイトル京都大学人気講義 サイエンスの発想法

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京都大学人気講義 サイエンスの発想法

018好きなものには客観性を失いがちです。甘いものが好きだと、みなも好きだと思いがちで、甘いものなら何でも売り出してしまうことがあります。いっぽう、甘いものが嫌いな店主は、工夫します。何とか好きになる方法はないか、甘いものが嫌いな人でも食べてくれる方法はないかと考えるうちに、新しい商売のアイデアを生んで、そのノウハウを他人に教えてフランチャイズ化することもあるでしょう。私の場合、英語、化学、生物学は、自分が工夫して克服した科目だからこそ、学生に首尾よく伝えることができたのかもしれません。化学や生物学が苦手な方々に言いたいのは、このような逆転が実在するということです。苦手なものの中にチャンスやアイデアがあることを認知してもらいたいのです。日本に帰国し、卒業以来初めて高校の同窓会に出席しました。恩師を交え卒業生約200人が集まったのは、梅うめ田だ にあるホテルの宴会場でした。懐かしい顔の中に、彼女、A子を見つけ、物理の昔話で盛りあがりました。彼女のかつての親友が、グラスをことん、と私の前に置いて言いました。