ブックタイトル京都大学人気講義 サイエンスの発想法

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概要

京都大学人気講義 サイエンスの発想法

024ハーバード大学での3年半の修業を終えて、私はアメリカで大学教員の職を探し始めました。いくつかの大学で最終選考に残り、幸運にも、テキサス州ヒューストンにあるベイラー医科大学で助教授の職を得ました。オファーをもらったときのことを、昨日の出来事のように覚えています。生化学部の学部長はコーヒーの入ったマグカップを両手で包むように持って、こう切り出しました。「今から大切なことを言うよ。ベイラー医科大学生化学部は、あなたにテニュアトラック助教授職を正式にオファーします。全員一致だ。教授陣はみな、君のことが好きで、君にきてほしいと言っている。私の妻でさえも、君にヒューストンにきてほしいと言っている」テニュアトラック助教授というのは、完全に独立して研究室を運営する助教授のことです。5?7年ほど後に昇進審査があり、それにパスすれば終身雇用の権利を得ることができます。しかも、建設中の研究棟の4階部分に新しい研究室を好きにデザインしていいと言うのです。建物外部は完成しているものの、内部は工事中で、壁もなくがらんとしていました。「このスペースをオフィスにすると、どうかな」