ブックタイトル僕たちは戦後史を知らない――日本の「敗戦」は4回繰り返された

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概要

僕たちは戦後史を知らない――日本の「敗戦」は4回繰り返された

  4って受け入れがたいことなのだ。結果として偶発的な出来事も、歴史の因果関係、ないし必然性の流れに組み込まれてゆく。歴史とは出来事の「羅列」にあらず、出来事の「積み重ね」なのである。「歴史を知る」とは、出来事がどのような形でつながり、積み重なっていったのか、その因果関係や必然性を理解する視点を持つことにひとしい。このような視点を持ってこそ、時代の移り変わりを理解することが可能になる。すなわち、現在と過去とがつながるのだ。ところが私の知るかぎり、一九四五年以後のわが国について、当の視点が満足な形で提示されたことはない。敗戦直後の占領と、以後の経済発展はどう結びつくのか。一九四〇年代後半から一九六〇年代にかけて、若い世代を中心に見られた政治への関心、ないし「革命」への情熱が、一九七〇年を境として、潮が引くかのごとく消え失せたのはなぜか。その後、若者たちの間で「真面目であることはカッコ悪い」「明るく軽いノリで振る舞うのが正しい」という風潮が台頭した理由は何か。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とまで謳うたわれた一九八〇年代の繁栄と、一九九一年、バブル経済が崩壊していらいの混迷の間には、いかなる因果関係があるのか。