フィール・ヤングで人気を博した連載がとうとう単行本化!
女子が心に抱える痛みや希望を丁寧に描いた読み切りシリーズ。
それぞれ違う主人公が少しずつリンクしています。
「HER」のカバーイラストの着色映像をお送りすると共に、
近況を伺いました。

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「HER」の書店POP


【HERについて】

編集部(以下編):インタビュー、よろしくお願いします!
         まずは、「HER」という作品の生まれたきっかけを教えてください。

ヤマシタ:こういう形式のオムニバスをそういえばやってないなーと思ったんじゃないでしょうか。
     ごめんなさい、正直に言うと忘れました…。
     でもなんか女の子を愛してほしいなーと思ったところがはじまりだったように
     思います。


編:作品の構想が生まれたのは、どのお話からですか?

ヤマシタ:以前から読み切りで描こうかなとぼんやり思っていた
     話を順々に発表したような形です。
     どの回とは言いませんが、以前ちょっと嫌な思いをして
     「おまえのことはいつか漫画に描いてやるからなギギギ」と思っていたことを
     ようやく形にできて私の中の禍根もすっきりしたので…(笑)よかったです…(笑)。
     あと友達同士がつき合いはじめてちょっとさみしかった気持ちも、
     話それ自体のベクトルは違うけど漫画にできてよかった。みっともねえ!!


編:いろいろな気持ちが込められていますね…。
  「ギギギ」的な気持ちは置いといて……初めて連作オムニバス作品を描かれてみて、
  楽しかったことや難しかったことがあれば教えてください。

ヤマシタ:本当はもっときちんと連鎖させて絡めていきたいのですが、
     なにぶん力量と時間が足りず!!
     もっとやりたいです。
     でも、展開やオチにひとつの流れというかくくりがあるので、
     各話の落とし込み方が楽しかったです。


編:各話のオチはそれぞれの主人公らしさがありました。
  もっとやっていっていただこうじゃありませんか(ウフフ)。
  さて、次はキャラについて。お気に入りのキャラクターや、思い入れのあるキャラクター、
  描く時に気合いが入ったキャラクターはいますか?

ヤマシタ:漠然と井出さんが好きです。
     あと、花河まみの性格の悪さは今まで描いたことがないレベルだったので
     たいへん楽しかったです。
     描いていて少し悲しくなりましたが。
     あと、柳井くんについて、担当さんが「えっ、おしゃれメガネじゃないんですか!?」と
     仰るのを「なぜダサメガネが良いかというと」と説いてねじ伏せたので、
     柳井くんの朴訥さには思い入れがあります。

 

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井出さん


編:すごい熱弁でしたとも(笑)。
  お気に入りのシーンや、「うまく描けた!」というシーンはありますか?

ヤマシタ:宮木くんの「裸足です!!」とか…あと花河まみの「ずるいッ」
     第6話は描いていてなんとなく「大切な話だ」という気持ちになりました。
     「こんな男いたら私もつき合いたいよバカ」とも。

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編:単行本のカバーのために、可憐でハイセンスな8人の女性を描いていただきました。
  描かれる際に力が入ったところや、意識したことはありますか?

ヤマシタ:描いていて楽しかったですが、まず服を考えるのが超疲れました。
     「らしい」けど、劇中ではしなさそうな少しだけ特別な服装、という。
     ずっとperfume『チョコレイト・ディスコ』とか井上陽水『Love Rainbow』を
     流しっぱなしで女子っぽい晴れやかなテンションで作業するという…。
     あと花河まみの脚は、肉感的で、なんならもうちょっと太くしてもよかった。
     彼女の服は考えながらすごく楽しかったです。
     西鶴こずえは若い瑞々しさ、躍動を出したかった。

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HERカバーの下絵。トレスペーパーに描いています

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花河まみ

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西鶴こずえ


編:着色作業を動画撮影させていただき、ありがとうございました。
  塗り始めから終わりまでのほとんどを撮影させていただきました。

ヤマシタ:緊張のせいもあったのか、一気に塗って終わった後に気が抜けて、
     ものすごい頭痛でした! びっくりした!
     漫画を描く作業って基本的に人に見られることがないので、
    新鮮な体験
でした。
     でももっと絵のうまい人を撮るべきだと思います。


編:いやいや、ファンのみなさんがとっても喜んでらして素晴らしかったですよ。
  大変おつかれさまでした。
  ヤマシタさんの驚異的な集中力を見せていただける貴重な映像でした。
  そんな風にして描いていただいた8枚のイラストを組み合わせたデザイン。
  出来上がった装丁についていかがですか?

ヤマシタ:語弊なきよう…とは思うのですが、今まで数々素晴らしいカバーデザインを
     していただいた中、私史上最高デザイン。いいです。
     女の子たちがキラキラして、幸せなカバーになりました。

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【Favorite&Days】

編:最近Twitterを始められたヤマシタさん(@beef_or_beef)ですが、
  面白かった出来事や印象深い出来事はありましたか?

ヤマシタ:同じ業界にいながら忙しい同士でなかなかお会いできない色々な方たちと
     密に繋がれることがすごく新鮮でうれしいです。
     感想も直でいただける。
     あと、編集・漫画家・デザイナ等々皆さんものすごく働いているので、
     「今つらいのは私だけじゃない…」と思える…。

編:毎日の執筆ペースを目の当たりにして、驚いている読者さんのツイートをよく見かけます。
  まあご体調には気を配っていただきたいところ。
  ゴッドハンド整体師をご存じの方は、編集部にメールをくださいませ…
  feelyoung.henshu@gmail.com

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編:さて、前回インタビューでは音楽関係のことをお伺いしましたが、今度は舞台について。
  お好きな舞台や演目はありますか?

ヤマシタ:野田秀樹の舞台はおしなべて。
     稀代の天才と同時代を生きられることに感謝、とすら思います。
     あと大人計画の『R2C2~サイボーグだからバンド辞めます~』がすごくおもしろくて
     二回行きました。
     シルヴィ・ギエムの『聖なる怪物たち』は言わずもがな素晴らしかったです。
     今後行くものでは首藤康之『空白に落ちた男』の再演が楽しみ!!


編:子どもの頃、特に好きだった漫画や芸能人を教えてください。

ヤマシタ:手塚治虫全集が家にあったのでひたすら読みこんでいました。
     『三つ目がとおる』がいちばん好きだったかなあ。
     りぼん、なかよし(特にりぼん)を毎号楽しみにして。
     今と違ってあんまりテレビを見ない子供だったので
     (今はものすごくテレビっ子ですが)当時の芸能に詳しくないですが、
     とんねるずが大好きでした。
     その頃好きだったのもは、いまだにやっぱりすごく好きです。


編:好きな食べ物やお気に入りのお店はありますか?

ヤマシタ:ぶるぶるした触感の脂身・内臓以外だったら大体食べます。
     お肉中心においしいもの大好き!
     和食とフレンチが好きです。


編:ではビーフ先生、最近ゲットしたもので、満足度の高いものを教えてください。

ヤマシタ:以前「節目に」と思って買った高い黒のバッグ、色違いで
     茶色いのを買ってしまいました…色違いって…。
     でも超お気に入りなのでずっと使います。
     あとスポーツウォッチが欲しいと思って買ったBaby-Gをなかなか重宝してます。
     あと『医学と芸術展』で買った足の形した文鎮的なやつ。かわいい。

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Baby-G。かわいい

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足のやつ


編:今、1ヶ月休暇がとれるとしたら何をしたいですか?

ヤマシタ:映画を山ほど観る。全然観れていないので。
     あと本を読む。
     特別なことはとくにしたくないです。
     昼からビールいっぱい飲むかな…。
     生活と仕事がひとつづきなので、仕事のためになる情報収集を
     いっぱいするかも知れない。
     
やだ、私ったら真面目…かっこいい….。

編:インタビュー終盤でボケが入ってきましたね…。

編:デビューから5年がたった今、「これだけは譲れない」というこだわりはありますか?

ヤマシタ:締め切りを破らない。
     あと、経験上、弱気になって妥協したら後悔しかしなかったので、
     二度とそのようなことのないように、少なくとも自分が絶対好きだと思うものを
     作りたいです。


編:なるほど。「ここだけは守る」という心をいつも感じますよ。
  最後に、フィール・ヤング読者にメッセージをお願いします。

ヤマシタ:『HER』、私なりに女の子たち(いくつになっても女の子たち)への
    大切な気持ち
を注いだ作品になりました。
     時々いやーな気持ちになったりするかも知れませんが、二度、三度、
     読んでくださればうれしいです。
     ガールズにラブでおます。


編:ありがとうございました。
  ヤマシタさん入魂の1冊、みなさまよろしくお願いします。

着彩映像の濃縮版をYoutubeにてUP中!http://bit.ly/d5IvQC


【おまけ】

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今年もピクニックに行って友人からプレゼントをもらいました。
カオス…いやケイオス

(取材:2010年6月某日)