言わずと知れたストーリーの名手・桜沢エリカ先生の、
このたび8年ぶりとなる短編集「東京トランタン」が発売されました!
そこで、桜沢先生に単行本のことやお仕事場のことを
インタビューして参りました!

trente_cover.jpg定価980円



<東京トランタンについて>

編集部(以下、編):桜沢先生にとって8年ぶりの短編集ですが、
          収録されている作品の中で特に思い入れのある作品はありますか?

桜沢(以下、桜):収録作は、FEEL LOVEやウエブなどで描かせてもらった
         短編なのですが、ここのところずっと短編を描く機会がなかったので、
         久しぶりにたくさん短編が描けて楽しかったですね。
         どの作品もそれぞれ思い入れがあります。
         特に思い入れがあるもの? そうですねぇ「柘榴」は
         締め切りギリギリまで何も浮かんでこなくて悩んだ作品なので思い出深い
         かも。ギリギリになってふっと描けたんです。
         あと、マノロの靴の話(「ピンヒール」)も好き。


編:文芸誌『FEEL LOVE』に掲載された作品も収録されていますが、
  文芸誌に描くにあたって何か意識されたことなどありますか?

桜:特にないです。漫画は私だけだったし、他は1色なのに漫画だけカラーで
  雑誌全体のアクセントみたいな位置づけに感じて、かえって気楽に描けた気がします。


編:「愛がいっぱい」(「Lady-Rise」改題)は後藤真希さんの
  ミニアルバム「SWEET BLACK」の初回特典のブックレットに掲載された作品です。
  どのような経緯で描かれることになったのでしょうか?

桜:これはSWEET BLACK世代と呼ばれる20代女性に向けて
  作品を描いてほしいという依頼でした。
 (編集部註:桜沢さんのほか、金平ひとみさんが小説を、蝶々さんがエッセイを、
  加藤千恵さんが短歌を書き、それらを基に後藤真希さんが音楽CDを作成した
  09年のプロジェクト)。

  私なりにこの世代を解釈して描きました。


編:ピンヒールやワンピース、猫など何かをモチーフにして
  作られた作品が多いかと思いますが。

桜:「猫」を描いた時は、ちょうどグレを飼い始めた時で、猫に対する思いが熱かった時。
  まだ家にルルちゃんが来ていないのに、漫画にはルルが登場していたり、
  いろいろ思い出深い作品です。
  猫ちゃんて長く生きても20年。どんなに長くてもそれ以上つき合えないと思うと、
  いろいろ考えちゃうんでしょうね。
 

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「グレ」桜沢さんの飼い猫

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「ルルちゃん」桜沢さんの飼い猫

 
編:この本のテーマの1つであり、タイトルにもなっているのが「トランタン(30代)」。
  ずばり桜沢先生は「30代」に対してどのようなイメージを持っていらっしゃいますか?

桜:30代は……まだまだですよ。
  過ぎ去って思うのは、30代の自分はすごく子供だったということ。ヒヨッコでした。
  でも、その30代で結婚して子供も産んで仕事もいっぱいしていたから、
  そうですねぇ、30代はなんでもできる年代とも言えるかな。
  いっぱい働いた後にさらに夜遊びもできるし、体力気力が充実している時ですね。
  なんでもできるけど、逆に何もできなくてもまだ大丈夫な時期。
  40代になると真剣にいろんなことをしなくちゃいけない気がします。
  私は30代まで自分に時間を費やして、40近くなってから子供を産んで育てて
  いるわけですが、自分にはそれが向いていたと思います。


編:推薦帯コメントを書かれた女優の小林聡美さんと
  お友達だとうかがいましたが、知り合われたきっかけは?

桜:きっかけは彼女が雑誌に書いたエッセイにイラストを描いたこと。
  その時、最初に顔合わせがあってそれが初対面でした。
  それ以来、マネジャーさんが何かにつけて誘ってくださって、ずっと続いてもう20年以上。
  「やっぱり猫が好き」(編集部註:1988年10月11日から1991年9月21日に
  フジテレビ系列で放送されていたコメディドラマ。深夜枠だったにもかかわらず、
  高視聴率をキープしていた)
のイラストを描かせてもらったり、
  プール(編集部註:桜沢さんが原作を描いた2009年公開の映画。大森美香監督)では
  かなりガッチリやらせてもらいました。

 


<漫画家・桜沢エリカについて>

編:桜沢先生は19歳でデビュー、それからご結婚、ご出産…と大きな変化がある中で
  ずっと描き続けていらっしゃいます。
  漫画家桜沢エリカとして昔と今と変わったことや変わらないものはありますか?

桜:自分は変わった気はしません。
  ずっと同じだと思うんですが、その時代時代で世間からの見られ方、
  イメージは変わっているかもしれません。


編:打ち合わせから原稿完成までの作業の中で一番好きな作業はなんですか?

桜:いちばん辛いのはネーム。のると楽しいんですけど、だいたい苦しいです(笑)。
  好きなのは……ペン入れかな。


編:ネームをされるお気に入りの場所などはありますか?

桜:特にお気に入りの場所はありません。たいては仕事机でやってます。

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桜沢先生のお仕事机


編:これがなくなったら困る! というような漫画を描く上でかかせないものはありますか?

桜:う~ん、ステッドラーの定規、かな? 
  買ってから十年以上たって壊れたときは焦りました。
  この定規の真ん中の2本線をガイドにしていろいろ線を引いたりしているので、
  デザインが一緒なものがないと困るんです。
  なので同じものがあった時はほっとしました。
  今使っているものは3代目です。

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こちらが3代目の定規



編:お仕事中によく食べるもの、よく飲むものがあれば教えてください。

桜:最近はガーナチョコや明治のアーモンドチョコ。
  お茶は日本茶。八女茶です。

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お気に切りのチョコ


編:何も浮かばない!という時はどうしますか?

桜沢:お風呂に入って寝ます。

編:最後に読者の方にメッセージをお願い致します。

桜沢:ぜひ手にとってみてください。楽しんでもらえたら嬉しいです。

 

(取材:2010年6月某日)