祥伝社文庫

完本 密命 公式サイト


既刊情報


 

完本 密命 巻之一
見参! 寒月霞斬り
滾り、溢れる父の情
定価:本体780円+税
ISBN 978-4-396-34105-3

豊後相良藩二万石の徒士組・金杉惣三郎は、固い絆で結ばれた藩主・斎木高玖から密命を帯びる。何者かによって奪われた相良藩の蔵書の中に、幕府ご禁制の切支丹本が混ざっていたという。事が明るみに出れば藩の取り潰しは免れない! 真相を探るべく江戸に潜入した惣三郎は、藩主の分家・斎木丹波の企みを嗅ぎつけ……。相良藩の龍虎が激突する一大剣豪小説!

完本 密命 巻之二
弦月三十二人斬り
江戸の市井に暮らす
家族の絆
定価:本体740円+税
ISBN 978-4-396-34106-0

御家騒動から七年後。相良藩の江戸留守居役となった金杉惣三郎は、財政の建て直しに忙しく、我が子とゆっくり向き合う暇もない。そんな折り、藩の下屋敷が黒装束の一団に襲撃された! 普請奉行・大岡忠相らとともに探索に乗り出した惣三郎は、やがて将軍家をおびやかす遠大な陰謀を突き止める。将軍宣下を控えた徳川吉宗にかかわる、驚愕の秘密とは……!?

完本 密命 巻之三
残月無想斬り
団欒をおびやかす影
定価:本体740円+税
ISBN 978-4-396-34116-9

八代将軍吉宗の側近が次々と暗殺された! 脱藩しておだやかな長屋暮らしを送っていた金杉惣三郎は、南町奉行大岡忠相の密命を帯びて探索に乗り出す。徳川を脅かす妖刀「村正」を振るい、樒の一枝を残していく皺だらけの老武芸者・石動奇嶽……。次第に明らかになる、その驚くべき正体とは? そして惣三郎は、強敵をおびき寄せるべく、一世一代の大舞台に立つ!

完本 密命 巻之四
刺客 斬月剣
旅立ちと
家族の結束
定価:本体740円+税
ISBN 978-4-396-34129-9

金杉惣三郎の肩口が存分に斬り下げられ、血飛沫が舞った。惣三郎はお杏の目の前で川に落ち、消息を絶った。未亡人となったしのは、夫の弔いを済ませ、屋敷を出ることを宣言する。娘のみわが悲鳴を上げた。息子の清之助は両手を握り締め、袴の裾をぐいと掴んだ。母と妹の身を案じる清之助だったが、折りしも遠く鹿島での剣術修行を師匠に薦められ、思い悩む。

完本 密命 巻之五
火頭 紅蓮剣
命を的の
江戸っ子の意気
定価:本体750円+税
ISBN 978-4-396-34140-4

「密命も今回かぎりに御免被りとうございます」と、大岡越前の密偵役を辞退して半年。金杉惣三郎は、家族を連れて初めての旅に出るなど、穏やかな日々を送っていた。ところが大岡主導の町火消し再編で、惣三郎の友・芝鳶の辰吉が不当な因縁をつけられる。加えて押し込み先を皆殺しにし、戯れ歌を残す火付け盗賊が跋扈するに及んで、惣三郎は再び探索に乗り出す!

完本 密命 巻之六
兇刃 一期一殺
親子の愛と
主従の信と
定価:本体740円+税
ISBN 978-4-396-34151-0

め組の姉御お杏が、待望の男子を出産した。惣三郎らは家族同然に歓喜し、祝いの酒を交わす。ところがその席に、惣三郎の旧主・斎木高玖の使いが現われ、不穏な一報をもたらした。高玖の側室に"隠れきりしたん"の疑いがかかっているというのだ。旧主の汚名をそそぐべく探索に乗り出した惣三郎。その行く手に、寒月霞斬りを破る"一期一殺剣"が立ちはだかる――。

完本 密命 巻之七
初陣 霜夜炎返し
生死を賭けた
倅の意地
定価:本体780円+税
ISBN 978-4-396-34160-2

徳川吉宗の一声により、天下第一の剣者を決める「享保剣術大試合」の開催が決まった。大名家家臣から浪人まで隔てなく参加を募るという触れ込みに、全国から熱い視線が注がれる。金杉清之助はこの試合に出場するべく、道場の勝ち抜き戦に挑んだ。気づけば父惣三郎の背丈を超えて成長した清之助。その身を心配する母しのに、息子は武士としての覚悟を打ち明ける。

完本 密命 巻之八
悲恋 尾張柳生剣
父と母は
そっと見守る
定価:本体740円+税
ISBN 978-4-396-34172-5

年の瀬も押し迫った江戸。金杉惣三郎の愛娘みわは不逞の浪人に取り囲まれ、窮地に陥っていた。そこへ細身の若侍が現われ、一瞬の早業で浪人たちを撃退すると、名乗りもせずに姿を消した。みわの手に香の匂いを残して……。一方、惣三郎は尾張柳生の四天王から立て続けに襲撃を受ける。いつ果てるともなく続く尾張との暗闘。その危害は、ついにみわにも及んだ。

完本 密命 巻之九
極意 御庭番斬殺
息子が辿る
父の足跡
定価:本体740円+税
ISBN 978-4-396-34183-1

金杉惣三郎の故郷・豊後相良の番匠川の流れの中に、息子清之助の姿があった。かつて父が若かりし頃、水面に映る月を斬り上げ、斬り下げして修練したひそみに倣い、その偉大な背中を超えようと苦闘していたのだ。そこへ「尾張柳生七人衆」を名乗る刺客が次々と現われる――。一方、江戸では徳川吉宗の密命を受けた惣三郎が、行方を絶った御庭番の探索に乗り出す。

完本 密命 巻之十
遺恨 影ノ剣
巨星、墜つ――
偉大な師の最期
定価:本体740円+税
ISBN 978-4-396-34184-8

鹿島道場の米津寛兵衛が、影ノ流を名乗る謎の剣客鷲村次郎太兵衛と立ち合い、非業の死を遂げた――。悲しみに暮れる間もなく、金杉惣三郎やその家族、そして大岡忠相に、姿なき敵から白刃が向けられる。その頃、四国八十八箇所の霊場を巡る清之助の許にも、師匠の訃報を知らせる書状が届いた。寛兵衛一番の愛弟子は、偉大な先達の遺徳を偲び、険しい遍路道を行く。

完本 密命 巻之十一
残夢 熊野秘法剣
家族が癒す
心の深手
定価:本体720円+税
ISBN 978-4-396-34194-7

徳川吉宗がかつて藩主を務めた紀州藩――その下屋敷で、凄惨な殺戮が行なわれた。ただ一人生き残った娘鶴女は心を閉ざし、何も喋ろうとしない。一計を案じた金杉惣三郎は、鶴女の身柄を預かり、飛鳥山の菊屋敷で家族をあげて見守ることに。平穏な時が過ぎるのも束の間、熊野の修験者たちが次々と襲いくる。果たして鶴女は何を見たのか? 驚愕の真実が明かされる!

完本 密命 巻之十二
乱雲 傀儡剣合わせ鏡
千里を超える
母子 ははこ えにし
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34206-7

享保八年秋、飛鳥山の菊屋敷は、棟方新左衛門と久村りくの結納を祝う一座で賑わっていた。ところが石見道場には新左衛門と夫婦約束をしたという女性が現れ、花火の房之助親分らが極秘に探索に乗り出す。同じ頃、紀州和歌山を発ち、大和街道を行く清之助は、あらぬ疑いをかけられて黒装束の一団に取り囲まれた。さしもの若武者も不意を衝かれ、兇弾に斃れる――。

完本 密命 巻之十三
追善 死の舞
亡き師に学ぶ
己の器
定価:本体700円+税
ISBN 978-4-396-34219-7

偉大な師米津寛兵衛の死から一年が過ぎようとしていた。惣三郎は江戸から石見道場の面々を引き連れ、鹿島で追善法要を行なうことを決めた。ところがその矢先、大岡忠相より探索の密命が下される。それは養子相続を巡る、奇怪極まりない事件だった。翻って剣術修行中の清之助は、名高い大和柳生の門を叩く。切磋琢磨する友と出会い、静かに師を弔う清之助だったが……。

完本 密命 巻之十四
遠謀 血の絆
一糸乱れぬ
親子の剣風
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34235-7

惣三郎の次女結衣が姿を消した。昇平によれば、結衣が宮地芝居の小屋から出てくるところを見かけたという。しかし当の一座は既に江戸を発っていた。一座が向かった先は、惣三郎に仇なす尾張。これは偶然か、はたまた陰謀か? 息子清之助に助勢を頼む文を書き送った惣三郎は、老骨に鞭打ち、東海道をひた走る。文を受け取った清之助も名古屋に駆けつけ……。

完本 密命 巻之十五
無刀 父子鷹
金杉惣三郎、
未だ迷いの中にあり
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34247-0

「参りました」惣三郎が突如、頭を下げた……。尾張の魔手から結衣を救った惣三郎と清之助は、柳生の里で近隣諸藩の志願者を集めて剣術稽古を催すことに。だがその矢先、惣三郎が一介の武芸者に負けを認めたことで、道場はざわついた。清之助は、父には父なりの考えがあると推量し、久しぶりに父子で竹刀を合わせる。汗光る夏が過ぎる中、またも結衣に忍び寄る影が!

完本 密命 巻之十六
烏鷺 飛鳥山黒白
いくつになっても
父は父
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34259-3

一年に及ぶ柳生逗留を終え、惣三郎と結衣が江戸に帰ってきた。しのと結衣は抱き合って再会を喜ぶ。惣三郎は皆に飛鳥山菊屋敷での静養を薦められ、すぐにも精出して働きたいと渋るが、人々の厚意を受けることにした。息子や娘、弟子の成長を見るにつけ、自らの老後に想いを馳せる惣三郎。そんな折、近隣の「烏鷺荘」に引っ越してきた老人が、惣三郎を囲碁に誘うが……。

完本 密命 巻之十七
初心 闇参籠
父の背を追う
果てのない道
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34266-1

若狭小浜城下から敦賀へと向かう若狭路。道中、騎馬軍団海天狗の乱暴狼藉を目の当たりにした金杉清之助は、南蛮兜の首領を船上の決闘で討ち果たした後、鯖江城下から永平寺へと足を運ぶ。武者修行に出て三年と四月。「血と怨念に穢れた身を浄め、初心に戻りたくなるときがございます」と申し出た若武者は、食を断ち、暗黒の岩穴に籠もる「三十三日闇参籠」に挑む。

完本 密命 巻之十八
遺髪 加賀の変
剣の修行は
誰がために
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34275-3

百万石の栄華も今は昔。財政難に喘ぐ加賀藩では、大半の者が大槻伝蔵による藩政改革を歓迎しつつも、その強引なやり口からは目を背けていた。金沢城下を訪れた清之助の前にも、金十両で雇われた刺客関左兵衛が現われる。誰の差し金なのか? 一瞬の斬り合いを制した清之助は、関の遺言に従い、十両を菩提寺の墓前に届けるべく、一路高岡を目指すのだが……。

完本 密命 巻之十九
意地 具足武者の怪
親子を巻き込む
新たな時のうねり
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34284-5

将軍吉宗お声がかりの鹿狩りに参加し不首尾だった咎で、直参旗本石河常康が切腹した。半年後、亡き石河の臣を名乗る具足武者が、遺恨を含んで惣三郎を襲う。石河はなぜ切腹に至ったのか。その裏には、形ばかりになった武芸の闇が隠されていた。折りも折り、武芸の衰退を憂える吉宗は、清之助の名を挙げ、再び上覧剣術大試合を開催せよと老中水野忠之に命じる。

完本 密命 巻之二十
宣告 雪中行
愛情か、非情か――
立ちはだかる父
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34292-0

上覧剣術大試合開催を知るや、佐渡を出立して越後に修行の場を移した清之助は、長岡へ向かう途次、討手に追われる姉弟と出会う。彼女らは村上藩の内紛を報せる密書を父に託され、江戸に向かう道中だという。次々に押し寄せる刺客を迎え撃った清之助は、姉弟を江戸に送り届けるべく、策を巡らす。その春、江戸では惣三郎の驚くべき宣言が、一同を当惑させていた!

完本 密命 巻之二十一
相剋 陸奥巴波
父の愛は
刃のごとく!
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34299-9

上覧剣術大試合まで半年余りとなった初夏。金杉清之助は仙台・伊達家城下で修行に励んでいた。若き剣士神保桂次郎を連れて江戸を出奔した父・惣三郎が北へ向かっているとも知らずに――。夫と息子の行く末を案ずるしのは、ゆくゆくは嫁いで長屋を出ていく娘みわ、結衣に勧められて、女三人、飛鳥山の菊屋敷で束の間の安寧を得る。別れの予感を胸に秘めながら――。

完本 密命 巻之ニ十ニ
再生 恐山地吹雪
父子の絆・
その光と闇
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34306-4

仙台を発って海路を北に向かった清之助は、巷を悩ます海賊サンボトジ党や、子供たちを拐かした妖しげな巫女を成敗するべく、刀を振るう。その清之助を斃すと宣言し、神保桂次郎を伴って出羽三山で修行を重ねる惣三郎は、自ら選んだ道を必ずややり遂げると専心しつつも「分からぬ」と呟いた。惣三郎が胸に抱いたのは、剣者として考えたこともない問いだった。

完本 密命 巻之ニ十三
仇敵 決戦前夜
嫁ぐ娘の晴れ姿、
父は知らず……
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34315-0

いよいよ江戸に帰るべく、金杉清之助は徹宵して南下し、師が眠る鹿島を訪れる。しかし清之助が目の当たりにしたのは、米津道場の意外な現状だった。片や父惣三郎の姿は、仇敵の本拠地尾張にあった。敵の敵は味方。清之助を斃すため、惣三郎はまたもや意外な行動に出る。江戸では二人の帰りを待ちわびる娘みわが、昇平のもとに嫁いでいく日を迎えたとも知らずに……。

完本 密命 巻之ニ十四
切羽 潰し合い中山道
一日千秋、
迎える母の目に涙
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34328-6

飛鳥山の菊屋敷で、剣術家が独り稽古を続けていた。いくつもの死地を乗り越えた疵を負いながら、どこか清らかにして爽やかな印象を与える不思議な青年――昇平が盗み見たのは、5年ぶりに帰着した金杉清之助の泰然たる姿だった。剣術大試合開催まで10日余り。その出場権を奪うべく、惣三郎と神保桂次郎は、尾張柳生の剣術家2人を追って中山道をひた走っていた。

完本 密命 巻之ニ十五
覇者 上覧剣術大試合
命運、
ここに決す
定価:本体660円+税
ISBN 978-4-396-34339-2

足掛け5年の修行の日々は、すべてこの日のため――。国中から豪腕辣腕の武芸者が集結した上覧剣術大試合。出場者には、金杉惣三郎秘蔵の弟子神保桂次郎も名を連ねていた。清之助は吉宗が推挙する唯一の出場者として初戦を免除されたが、それは後半戦がより厳しくなることを意味していた。母や妹、葉月のお百度参りも続く中、清之助が一世一代の勝負の場に上がる!

完本 密命 巻之ニ十六
晩節 終の一刀
心に抱くは、
親愛なる人の顔
圧巻の
クライマックス!
定価:本体670円+税
ISBN 978-4-396-34340-8

上覧剣術大試合を終え、ついに家族と顔を合わせなかった金杉惣三郎の姿は、いま豊後相良の庵にあった。じつに5年の歳月が過ぎていた――。江戸では清之助、みわ、結衣それぞれが所帯を持ち、しのだけが飛鳥山で隠居していた。その年、大目付に任じられた清之助は、吉宗から尾張へ向かうよう言い渡される。それは、父の代より続く因縁を断つための重大な“密命”だった!