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お金から見た幕末維新
著者名:渡辺房男

2011-11-07 関村雄司さん 岩手県
読んでいて気になったのは、「第4章 日本初の貨幣鋳造工場」という見出しです。私は元技術屋で最初の担当が「鋳造」でしたので、鋳造という語句が目に入ると必ず読んでしまいます。日銀の貨幣博物館のホームページに「明治4年(1871)「新貨条例」を制定して、 3.金銀貨については近代洋式製法による円形の打刻貨幣とする」とあります。新貨条例の製造法は、従来の鋳造ではなく「延ばした板金を貨幣の文様を彫った極印で一度にプレスする」方法です。鋳造とはいうまでもなく、溶かした金属を鋳型に流し所要の形(製品)を得ること、です。技術を知らない人が貨幣製造についてよくするミスです。
新聞や金融の専門書にも散見されます。老婆心ながら記しました。

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