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800字を書く力
著者名:鈴木信一

2018-04-11 中村 弘文さん 千葉県
 「800字を書く力」を読んで
「目から鱗が落ちる」部分が2点あった。まず、1点目は、「書くから書ける」という箇所である。この本を読むまでは、人は「書くことがあるから書ける」とばかり思っていた。もちろんそれは必要な要素ではあるが、書くという行為の最大の原動力は、文の足りない部分を次の文が補う、その文をまた次の文が補うという論理の積み重ねにある、ということをこの本は教えてくれた。だから1文を書けば次の1文を書かざるを得ないのであり、だから、書中にあった「リレー作文」も可能なのである。
 さらに2点目は、論理の積み重ねだけでは人は途中で飽きてしまうので、新たな展開(または澱み)が必要である、という内容である。一気に最後まで読者の心をつかんで離さない文章とは、このようなことが緻密に計算されているのであろう。
 以上「目から鱗が落ちる」2点を教えてくれたこの本は「料金以上の価値がある」と思った次第である。

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