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ジャンル・タイトル・著者名
文芸書(文庫を除く)
いえ
著者名:小野寺 史宜

2022-02-27 たっちゃんさん 千葉県
「きちんと話せば大抵のことはスッキリする」なんてことは、ほとんどの人が知っている。そんなことは知っているけれど、ちっぽけなプライドや誰かを思う優しさが邪魔をするのだ。この作品には、誰もが経験したことのあるあのなんとも言えぬ感情が、丁寧にそして優しく描かれている。だから、読んだ後に「自分だけじゃなかったんだ」という安心感とともに、自分にも何かできることがあるかもしれないという期待を抱かせてくれる。「人間ものの感じ方は変えられない。…でも感じたあとの行動は変えられる。」嫌な感情を抱いてしまうのなんて当たり前だ!そんな自分を責め続ける必要はない。自分に何ができるかを考え続けることが、人が生きる道なのかもしれない。ほんの少しだけ自分を好きになってみようと思えた。

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