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ジャンル・タイトル・著者名
文芸書(文庫を除く)
いえ
著者名:小野寺 史宜

2022-03-22 中西 椋平さん 愛知県
本屋大賞第2位「ひと」そして「まち」に続く 下町荒川青春譚第3弾「いえ」

妹の事故をきっかけに普通の生活を送っていた家族がどこか嚙み合わない。主人公の三上傑(みかみすぐる)は、三上家の長男であり社会人三年目スーパーで働いている。職場での人間関係、中学時代からの友、怪我を負った妹。様々なことに思い悩む傑。案外面倒な兄なんだと思う一方で、案外面倒な人間なんだなと感じる傑。それぞれのやりきれない想いをどこに、何に、誰に消化していくのか答えを見つけていく物語。

自分は、考え方が傑に似ていると思う。自分という人間が間違ってはいないと思っており、どこか変えたいとも思っている。自分はこれからの人生で傑が最後に取った行動を起こすことが出来るだろうか。きっかけは些細なことであり、落ちている物でもないと思う。自分は傑のようになりたい。心からそう思えた。


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