ブックタイトル元気の源 五体の散歩
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元気の源 五体の散歩
1 6本人もいるが、六ろ つ甲こ う山だと知ると、歩いてどのくらいかかるか、ときく。翌日にはその六甲にのぼるイギリス人がいるのを日本人はなかばあきれたらしいが、歩くことがおもしろいということを学んだ。しかし、本気になって、歩くことを楽しむことは、そう簡単ではない。だいいちぶらぶら歩きではない歩きを呼ぶことばがない。逍しよう遥ようなどと呼んでみたが、落ち着かない。散策としてみてもきまりがよくない。散歩に落ち着くのに、長い年月を要した。大学で哲学を論じた学者たちは、カント風散歩の習慣をもっていて、毎日、時間をきめて歩いた。街の人がそれを見て時刻を知った、というようなエピソードも伝わっていた。さらに遠い昔、ギリシャでは歩きながら哲学を論じた逍遥学派もある。われわれも、そういうヒソミに倣ならって歩こうではないかということになり、京都に〝哲学の道〟ができた。糖尿病を散歩で治癒した同僚そんなことは知っていたが、散歩をしっかり考えていたわけではない。自分の経験から