ブックタイトル元気の源 五体の散歩
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元気の源 五体の散歩
2 2る。時間が早いから、人影はすくなく、自分の足音が快い。散歩人生に悔いなし地下鉄の定期を買って散歩するようになったのは、いつごろからだったか、何でも忘れてしまう人間だから、茫ぼ う々ぼうとして記憶にないが、二十五年くらいにはなる。早朝の電車はすいていて気持ちがいい。いつか雑誌の編集者に定期をもって散歩していると言ったら、それはいい考えだとホメられた。その通りで、すこしおっくうな朝も、定期を眠らせては惜しいというケチな根性で歩くこともある。長続きしてきたのはひとつには定期のおかげである。わが人生は、というほどのものでもないが、とにかくわが人生は、散歩に始まり、散歩に終るのではないか。ひそかにそんなことを考えるのは、衰えてきた証拠だ、と自戒している。散歩人生に悔いはない。