ブックタイトル帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海

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概要

帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海

22たあるいは五穀、サイコロ、女性の毛髪などの場合もある。女性の髪は船主や船頭の妻、などからもらい、オフナサマ(船霊様)などと呼んだ。これらが魔除け、お守り的な役目を果たしたのだ。こうして進水式前日までに船大工の手によって船霊を祀り込んだ船は、海に浮かべられ、祈き祷とうや献けん饌せんの後、船主や船頭による餅まきなどを経て、試運転に出るのである。なお、こうした船霊は女性の神とされている。女性がひとりで船に乗ると悪いものに憑つかれたり、海が荒れたりすると考えられているのは、これによるものだ。元来は巫み女こが船に入ったものと考えられていることから、このような考えが出てきたものとされている。ちなみに海外で船霊にあたるようなものは、西洋の例で見ると船首、船尾に飾られている女神像であろう。また中国の沿海部に目を移すと、媽ま祖そが挙げられる。これは道教の女神であり、中国における航海、漁業の守護神である。洋の東西を問わず、海の守り神は女性だったという部分は、大変興味深い。