ブックタイトル帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海

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概要

帝国海軍と艦内神社――神々にまもられた日本の海

33第一章 日本人にとっての神道と海の神二十五日には、遣唐使のために五畿内七道の名神にも幣が奉られる。一方、五月九日になると、春日四所大神に位階昇叙があり、『海路、風波の難なく、平けく堅かたらかに帰し賜たまへ』と祈願され、また、同月二十二日には、天てん智じ・光こう仁にん・桓かん武む天皇、および神功皇后等の山陵にも同様の祈りが捧げられた。翌承和四年になると、二月一日に再び天神地祇が祠まつられ、三月十九日、いよいよ大使以下、鴻こう臚ろ館かんから大だ宰ざい府ふに向けて出発すると、三日後には、楠くす野の王おう等を伊勢大神宮奉幣のために発遣。しかし、承和五年三月二十七日になっても未だ出航不可能のため、度ど者しや(引用者注・毎年一定数を限って出家を許された者)九人を選び、香かすいのみや襲宮・大だい臣じん宮ぐう・八幡大菩薩宮・宗像神社・阿あ蘇そ神社にそれぞれ配属し、国分寺・神宮寺において、遣唐船往還の間、その平穏を祈って専心行道せしめている」(振り仮名は引用者)そして渡部氏は請しよう 益やく僧そう(短期留学する学問僧)として同乗していた円えん仁にん(第三代天てん台だい座ざ主す)の日記から、渡海中の遣唐船上において乗船する前および触しよく穢えのときに必ず解げ除じよ(罪や穢けがれなどを祓はらう)が行なわれ、時や場所に応じてその土地の天神地祇が祀られたとする。そして重要なのは─船上には「神殿」が常設されており、住吉大神・主舶神・霹は たた靂神がみ(雷の神)・天神地祇などが祭祀されていたということが確認されることである。こうした