ブックタイトル私がくまモンの上司です――ゆるキャラを営業部長に抜擢した「皿を割れ」精神

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概要

私がくまモンの上司です――ゆるキャラを営業部長に抜擢した「皿を割れ」精神

30この時、職員たちが考えたのは「まずくまモンを知ってもらう」ということでした。最初はできるだけ熊本の宣伝色を押し出さずに、くまモンの関西での露出を増やし、くまモンを関西の人気者にしようと考えたのです。くまモンは自治体のマスコットキャラクターでありながら、熊本色をまったく感じさせない、珍しいデザインです。通常、自治体のゆるキャラはその地方の名物をモチーフにデザインしてあります。ところが、くまモンは熊本の名物とは関係ありませんし、そもそも熊本にクマはいません。それでも熊本のキャラクターだとアピールせずに関西で売り込もうとは、大胆な作戦でしょう。小山薫堂さんが熊本にいらしたとき、「自分たちの県を自分で宣伝するより、隣の県の人が宣伝してくれたほうが、人って聞く耳を持ちますよね。互いに隣の県をPRするような企画ができたら面白いですね」と、おっしゃっていました。くまモンが熊本をPRすると、宣伝用のキャラクターとして見られるでしょう。それではくまモンの魅力が半減してしまいます。しかし、くまモンに興味を持った大阪の人が、「熊本って面白そう」と周囲に話してくれるのなら、願ってもないPRになります。そのためにも、どのように大阪の人に興味を持ってもらうか。3つの方向性を考え、実行に移しました。