ブックタイトル日米開戦の正体
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日米開戦の正体
12おいて私等外務省に勤めたものは、より強く、より正しかるべきであったと、過去を顧みて自責の念に堪た えない。後で出てきますが、森島守人は軍部と激しくやり合っています。しかしその彼ですら、「より強く、より正しかるべきであったと、過去を顧みて自責の念に堪えない」と回顧しています。もう一人、同じく開戦当時まだ若手若く、上海大使館一等書記官であった曽そ祢ね益えき(戦後国会議員)は著書『私のメモアール』(日刊工業新聞社)の中で、「上海における太平洋戦争の開幕を目の当りに見ても、(略)これをくい止めることのできない無力さと口惜しさというのは胸にこたえた」と記述しています。今、自民党政権の原発再稼働や、TPPや、集団的自衛権等の政策を見ている人の中には、日本が歴史の曲がり角にいて、行くべきでない道のほうへその変化がどんどん進んでいくことに対し「これをくい止めることのできない無力さと口惜しさ」を感じている人もいるのでないかと思います。「より強く、より正しかるべきであったと、過去を顧みて自責の念に堪えない」─今、そのときにあるのでないでしょうか。