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概要

日米開戦の正体

22えば破滅的な結果になる」ことは解るはずなのです。しかし、当時の国家の中枢の人は詭き弁べんを使いました。「民主主義国家の米国は長い戦争に堪えられずに途中でやめる」という詭弁で、日本を破壊に導きました。日本は真珠湾攻撃に突入し、自らの選択で第二次大戦に入っていきました。あらためて、戦争被害を見てみたいと思います。高校の日本史の教科書で採択率が圧倒的に高い山川出版社の『詳説日本史』から引いてみましょう(『詳説日本史』からの引用は二〇一三年版を基準としています)。「空襲は全国の中小都市にもおよび、内務省防空総本部の発表によれば、被害は家屋の全焼が約221万戸、死者約26万人、負傷者42万人に達し、主要な生産施設が破壊された」「沖縄県援護課の資料によれば、死者は軍民あわせて18万人余りにのぼった」さらに『史料・太平洋戦争被害調査報告』(中村隆英、宮崎正康編、東京大学出版会)を当たってみましょう。・太平洋戦争における死者は、厚生省の発表によると三一〇万人余(内軍人軍属二三〇万人、沖縄住民を含む在外邦人三〇万人、内地での戦災死者五〇万人)と考えられている。・国富〔=国の正味資産の総額〕被害は、総計約六五三億円。・全国の直接的物的被害総額四八六億円。仮に、日銀の卸売物価指数の倍率でみると、最近値(一九九五年)で全国約一〇兆円。繊維工業の敗戦時の設備能力は昭和一六年末の