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概要

日米開戦の正体

32③ マスコミが調べれば嘘や詭弁であることが解るのにそれを検証せず、嘘、詭弁の拡散に努める④ 国民はこの嘘や詭弁を信じ(信じるふりをし)政策を容認するこれと同じ過程こそ、「真珠湾攻撃への道」の本質です。戦後、指導者が詭弁を弄ろうして国を誤る方向に導こうとしたのは今に限った話ではないと、反論する人もいるかもしれません。しかし、現在ほど亡国の危機に瀕ひんする状況に陥おちいったことはありませんでした。一九四五年八月十五日、トルーマン大統領は対日戦における空襲の効果について調査を命じます。「米国戦略爆撃調査団」による調査です。調査委員会の定員は文官三〇〇名、将校三五〇名、下士官五〇〇名です。大変な大部隊です。副委員長として「二十世紀においてその著作が最も読まれた経済学者」と言われたジョン・ケネス・ガルブレイスが参加しています。真珠湾を攻撃した理由、日本が降伏を決定するに至った経緯などを調べるために、調査団が日本に入り、東京、長崎をはじめ各地で、軍人、政治家、財界人そして一般市民への聞き取り調査を行ないました。その調査とともに、多くの関係文書を押収し、一九四六年七月までに一〇八巻の報告書を完成させます。一九四六年、この調査報告書は、日本がなぜ真珠湾攻撃という道を選択したのか、その理由を次のように記述しています。驚くべき内容です。