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概要

日米開戦の正体

35 序章 なぜ今、真珠湾への道を振り返るのかどの猛攻撃を仕掛けたかということを、ずっと記憶に留めるでしょう。日本の計画的な侵略を打ち破るのにどれほど長い時間を要するとしても、我々アメリカの人民には正義の力が宿っています。アメリカは絶対的な勝利を手にするのです。我々は自らを防衛するのみならず、こうした日本の背信行為が二度と脅威とならぬようにすべきです。私はそう強く主張します。この私の主張に同意くださり、議会および国民の意思が形成されると私は確信しております」ルーズベルト大統領は「正義」を訴え、「どれほど長い時間がかかっても」「絶対的な勝利」を強く誓いました。当時の米国指導者層の発言を見れば、当然出てくる内容でした。一九四一年八月、ルーズベルト大統領とチャーチル首相が発表した大西洋憲章では、「『ナチ』の暴虐の最終的破壞の後」という文言が入っています。これはナチスだけではなくて、三国同盟の一員である日本も入ります。しかし日本のアメリカに対する評価は「民主主義国家としての米国の弱点は強烈に抵抗する日本の陸海軍人並びに飛行士によって与えられる大損害並びに連合国の脱落に直面しては全面的攻勢を維持することができない。したがって米国は妥協して日本が最初に占領した地域の領有を許すであろう」と、一八〇度逆のことを述べています。嘘なのです。情勢判断や見通しを一八〇度誤るほど、日本の指導者は無知だったのでしょうか。そうではないでしょう。当時でも嘘であることは解ることなのです。