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概要

日米開戦の正体

36まさに「嘘だ」と解ることをあたかも事実のようにして推し進める、この体質が真珠湾攻撃に突き進んだ一番の問題だと思います。実はその現象は、まさに、今の日本にも当てはまるのです。集団的自衛権、TPP、原発再稼働、消費税などに使っている論理と同じなのです。一番重要な論点を避ける。歪ゆがめる。そしてあり得ない事実や、さして重要でない側面を強調し、本来取るべきでない政策を進める、それが今日の日本で強烈に復活しているのです。私たちはどうして時の政権にやすやすと騙されるのでしょうか日本の指導者はどうして一八〇度違うことを堂々と言えるのでしょう。そして国民はそれを唯い々い諾だく々だくと受け入れるのでしょう。最も明快にその回答を与えてくれたのが伊い丹たみ万まん作さく氏です。伊丹万作氏は終戦の翌年一九四六年に「戦争責任者の問題」という論を発表しました。「騙される国民」を鋭く批判しました。要点を抜粋します。・多くの人が、今度の戦争でだまされていたという。おれがだましたのだといつた人間はまだ一人もいない。日本人全体が互にだましたりだまされたりしていた。・新聞報道の愚劣さや、町会、隣組、警防団、婦人会といつたような民間の組織がいかに