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概要

日米開戦の正体

49 第一章 真珠湾攻撃を始めたかったのは、誰なのか?と連動。上海事変については後で述べます)を東亜連盟同志会(石原莞爾の日本・中国・満州の一体化を目指す「東亜連盟論」に共鳴して発足)に呼んで「ドイツの戦況を有利に判断しているようだが、ドイツは到底ソ連には勝てない」など主戦論の誤りを指摘しました。思想家の里見岸雄は、『闘魂風雪七十年』(錦正社)の中で次のように石原莞爾の言葉を引用しています。「負けますな。(略)アメリカは一万円の現金を以て一万円の買物をするわけですが、日本は百円しかないのに一万円の買物をしようとするんですから」マサチューセッツ大学のマーク・ピーティ教授は著書『「日米対決」と石原完爾』(大塚健洋、大塚優子、関静雄、デイヴィッド・アスキュー訳、たまいらぼ)の中で、石原莞爾が激しく東條英機を糾弾している様子を描いています。石原は京都帝国大学で京都府知事を含む聴衆に向かって「敵は、中国人でない。むしろ日本人である。自己の野心と功名にかりたてられて、武器をとって立つ東條(英機)と梅津(美治郎)こそ、日本の敵である。(略)彼らをとらえて銃殺刑にすべきである」と述べた。石原莞爾は東條から弾圧されますが、当時日本国内に強い支持基盤を持っています。『一皇族の戦争日記』(東久邇稔彦著、日本週報社)によれば、一九四一年一月二十四日、木村武雄