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概要

日米開戦の正体

76ます。そして、米国事情に最も通じている集団は外務省です。しかし、外務省の人間が戦争阻止のために必死に動いた姿はほとんど見えません。どうしてなのでしょうか。真珠湾攻撃直前、外務省はもちろん、米国と交渉しています。米国が日本に要求していることは次の三つです。① 日独伊三国同盟を解消すべし② 南部仏印への軍事占領を撤回すべし③ 中国での軍事的占領を解消すべし①の「日独伊三国同盟」は外務省の枢軸派と言われる人々が推進したものです。②の「南部仏印への軍事占領」と、③の「中国での軍事的占領」は外務省が陸軍と一体となって進めてきたものです。ですから、この当時、外務省が「省」として反対することはありません。中枢部には反対するような人はほとんど残っていません。外務省の中で、反対の意見を述べる人はいなかったでしょうか。何とか日米交渉の決裂を食い止めたいと頑張っていた人物が、時のアメリカ局長寺崎太郎で