ブックタイトル京都大学人気講義 サイエンスの発想法

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概要

京都大学人気講義 サイエンスの発想法

020女の子です。両親を亡くしたメルモは、魔法のキャンディーを手に入れます。青いキャンディーを食べれば10歳年をとり、赤いキャンディーを食べると10歳若返ります。10歳のメルモは、この不思議なキャンディーを使って自らの年齢と容姿を操作し、幼い弟の親代わりとなり、困難を乗り越え、人々を助けます。口からとり込んで効き目があるということは、このキャンディーに入っている有効成分は小さな化合物でしょう。小さな化合物(小分子化合物)は腸から吸収され、身体の中に入ります。もちろん、メルモの不思議なキャンディーは作り話です。本当ではありません。しかし、ここでひとつの仮定をしてみてください。みなさんが研究をしていて、こんな化合物を偶然にも見つけてしまったと考えてください。どうしましょうか。ひとつ考えられるのは、医薬品を作ることです。ベンチャー企業を立ち上げ、抗老化薬として売り出すことを考えるかもしれません。しかし、それはできるかもしれないし、できないかもしれません。正直に言うと、そう言わねばなりません。医薬品を作るうえで最も重要なのは、安全性です。この年齢を操作する化合物が本当に