ブックタイトル僕たちは戦後史を知らない――日本の「敗戦」は4回繰り返された

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概要

僕たちは戦後史を知らない――日本の「敗戦」は4回繰り返された

17   第1章 終戦を疑え(1941年~ 1947年)この矛盾を解消する方法がないわけではない。「戦後」には、終わったとたんにふたたび始まる「リピート機能」が備わっていると考えればよいのだ。定期的に終焉を迎えるくせ、また最初から繰り返されるもの、それが戦後というわけである。だとしても、時代がリピート機能を持つとは、具体的にいかなることであろうか? だいたい、そんなことが起こりうるのだろうか?震災後、「改革」や「維新」といったスローガンが叫ばれつつも、日本が混迷の色を深めるばかりなのは当たり前である。われわれは、どのような時代を生きているのかさえ認識できていないのだ。むろんこれは「戦後」とは何か、本当には分かっていないことにひとしい。(※)一九四五年をもって第二次大戦、ないし太平洋戦争が「終わった」と言えるかどうかは、後に見る通り疑問ながら、ひとまずこうしておく。■「戦前」の規定から始めようしかしここで、面白い糸口が存在する。「戦後」の具体的な中身はさておき、それが「戦前」の反対概念にあたることは、またもや衆目が一致するのだ。現に『広辞苑』に出てくる「戦前」の定義は、「戦争開始の前。特に、第二次大戦の起こる前」。先に紹介した「戦後」の定義を、ひっくり返しただけのものとなっている。