ブックタイトル僕たちは戦後史を知らない――日本の「敗戦」は4回繰り返された

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概要

僕たちは戦後史を知らない――日本の「敗戦」は4回繰り返された

29   第1章 終戦を疑え(1941年~ 1947年) ─「終戦」という表現は、まるで戦争が無事終了したかのような印象を与え、それが天皇の功績であるとする見解まで打ち出された。他方、敗戦の責任については、できるだけこれに触れまいとする傾向が見られた。それどころか、国民の方が天皇の決断に感謝し、お詫わびしなければならないという、奇妙な理屈まで生み出された(上巻、二〇三?二〇四ページ)。昭和前半期の戦争、とくに太平洋戦争について、われわれが本当に反省したというのなら、九月二日が「敗戦記念日」となっていて当たり前なのだ。占領軍、ないし左翼に代表される戦後肯定派によって、本当に洗脳されていたとしても同じことである。現にアメリカ、イギリス、フランス、ロシアなどでは、九月二日が第二次大戦の「戦勝記念日」とされている。占領軍総司令官のマッカーサーも、戦争終結を記念した声明を何度か出しているが、これは決まって九月はじめになされた。(※)ロシアや中国との国交が回復、ないし正常化されたのは、それぞれ一九五六年と一九七二年なので、一九五二年に戦争処理がすべて終わったわけではないが、ここでは不問とする。■戦後の真の原点とは今まで展開してきた議論をまとめれば、次のようになる。