ブックタイトル進化できない中国人――経済は発展しても国民性は「道徳砂漠」

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概要

進化できない中国人――経済は発展しても国民性は「道徳砂漠」

21第一章 中国「偽進歩」の構造万人を誇る巨大な大学に変貌した。「瀋陽師範大学」という六文字看板を掲げるその大学は、正門の門構えだけでも長さ一〇〇メートル近い規模である。これを初めて見た瞬間、私はびっくり仰天した。また、私の二〇代の頃の行きつけの古い本屋さんは、いつのまにか跡形もなくなり、そこに建っていたのは三〇階建ての巨大高層ビルであった。 中国人の最近のジョークに「中国はすべてが変わった。ただ変わっていないものは鄧とう小しよう平へいの背丈だけだ」というものがあるが、これは中国の変化を象徴的に物語っている。 中国人であれば、誰でも祖国の大きな変化に誇りを持つだろう。とくに北京オリンピック以来、中国人のこの種の「大国」意識と自信は著いちじるしく強まってきた。 オリンピックが成功裡りに幕を閉じた直後の二〇〇八年十月、北京の大手出版社が『中国はなぜこれほども成功したのか』(中信出版社、二〇〇八年十月)というタイトルの分厚い本を出している。表紙に「権威読本」と書きしるした四四〇ページものこの本は、中国の一九七八年から二〇〇八年までの三〇年間の変貌を各分野でまとめている。「序言」にはこう書いている。「中華民族はかつて世界最強の国家として、完璧に近い文明を持っていた……。