ブックタイトル進化できない中国人――経済は発展しても国民性は「道徳砂漠」

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概要

進化できない中国人――経済は発展しても国民性は「道徳砂漠」

45第一章 中国「偽進歩」の構造「文化砂漠」たる中国を厳しく評価したことがある。 一九九一年の来日以降、私は中国に毎年二、三回のペースで帰国したものだが、いつも実感するのは、高層ビルや華やかなレストラン、サウナ施設などは目立つようになった一方、書店は毎年減少しているということである。 私の郷里の瀋しん陽よう(現在都市人口八〇〇万、近郊を合わせると一一〇〇万)には日本の紀き伊の國くに屋や書店のような本屋が二カ所しかない。小規模の本屋(私が来日前に通った)はほとんど潰つぶれて、その跡地には立派すぎるホテルかレストランが建っている。 大おお前まえ研けん一いち氏は『「知の衰退」からいかに脱出するか?』(光文社)という著書の中で、日本人の読書量が減少し、現在の若者は自分の半径三メートルのことにしか関心を持たない、成功の欲望も、学習能力も低下した日本は「低IQ社会」に突入した、と指摘した。 この本が二〇一〇年、中国北京で『低智商(注・IQ)社会』として翻訳出版され、以来中国の教育、文化問題を語る際に盛んに引用されている。ちなみに大前氏は中国では世界的経営コンサルタントとして著名であり、「日本の戦略の父」とも言われている。 大前氏の「低IQ社会」というタイトルを借りて言えば、中国はいま厳然たる「低IQ社会」であり、私は中国を「低IQ人民共和国」と称したい。