ブックタイトル帝国の逆襲――金とドル 最後の闘い

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概要

帝国の逆襲――金とドル 最後の闘い

34は北アイルランドに頼る。あるいはスコットランドがイギリスから独立したがっているので、北ほつ海かい油田の利権を分けてもらって生き延びようとする。ヨーロッパの大きな国であるスペインとイタリアは、どちらも直近( 10月11日)では国債利回りを4・3%に戻している。これは体温で言えば37度ぐらいの微熱状態である。それでも財政破綻問題が、やがて必ず起きる。前回、去年(2012年)の7月に、7・5%を超して大騒ぎになった。あの再来があるだろう。あれがヨーロッパ・ソブリン・リスク危機(国家債務危機)であった。ソブリン sovereign とは「君主、王様」のことだが、国家の振り出す借金証書である国債の利息(利回り)不払いがもたらす危機、信用不安がソブリン・リスクだ。ギリシャのような小国の危機だけが大きく騒がれたが、本当はスペインとイタリアの破綻の危険が大きい。アメリカとしては、ヨーロッパ金融危機は再発すると分かっている。今度もヨーロッパのほうが先に崩れるだろう。アメリカにとってはヨーロッパが先に金融破綻するほうが望ましい。しかし、アメリカの大銀行がヨーロッパ諸国にたくさんドル建て資金を融資している。だからヨーロッパがデフォールトすると、必ずアメリカに波及する。アメリカとヨ