恋愛において要求されるコミュニケーション力、セルフプレゼンテーション力、洞察力、人間性といったスキルを総合した恋愛力を測る「恋愛検定」。そう、この世界では「恋愛検定」に合格することが、結果的に社会的ステータスへと通じるのです。
大勢から無作為に抽出された「あなた」の前に、突然「恋愛の神様」が現われ、「あなた」の受検級数が伝えられます。そこから半年間のあいだ、神様は「あなた」の恋愛模様を細かくチェックしていきます。ターゲットは的確か、会話の内容は適切か、客観的に自分のイメージを把握できているか――あらゆる選択を吟味されます。
そして最後に神様は冷徹に判定をくだします。さて、「あなた」の恋愛力は――?
OL・辻恵理子のもとに、突如「恋愛の神様」が現われ、「恋愛検定」受検を命じられる。恵理子はこと恋愛のかけひきにおいては自信満々、しかし最低ランクの「四級受検と言われたことに衝撃を受ける。
検定は開始され、恵理子はさっそく取引先の広告代理店に勤める小倉に声をかける。見た目はいいし、ファッションのセンスも給料も悪くない。この子でいいじゃん。
楽勝だと思っていた恵理子に、またも神様が降臨。「恋愛検定は、あくまで恋愛力をはかるもので、カップルになるかならないかは査定外。エッチをしたか、しなかったかも、査定外」。
そもそも、恋愛力って?
「恋する気持ち、愛する気持ちを、どう表現し、コントロールするかってことよ。そのレベルがどの基準まで達しているかを、神様が判断しましょうって、ことだから」
しかし恵理子には、それがどうもきちんと理解できない。それゆえに恵理子は四級だという。そして肝心の小倉とのデート。恵理子はぐいぐいと小倉に迫っていく。私を独り占めできる、こんなチャンスはないのよ、はやく口説いてよ――と思った瞬間、神様が言った。
「あなたの場合は、ほかの人がどう思っているかってことに無頓着過ぎるんだよね」
はたして、恵理子の恋の行方は、そして検定の結果は?
「恋愛検定」に挑む6人の恋愛模様。
「あなた」はこの中に、「あなた」自身の姿を見るかもしれません。