書評 投稿ページ
投稿閲覧
ジャンル・タイトル・著者名
新書
発達障害に気づかない大人たち
著者名:星野仁彦

2010-12-03 鬼と善人さん 東京都
 参考データの引用の仕方、論理構築のあり方が非常に偏っている。なるほど発達障害者が発達障害についての本を書くとここまで偏ってしまうのかと考えてしまう。まるで“構ってちゃん”である。最後は、過去の偉業のほとんどは発達障害者が成し遂げたと読める話がつづられているが、はるか昔の人たちについては憶測に過ぎない。
 発達障害についての解説に膨大なページ数を割く一方、対応策は薄く内容もおかしい。高橋和子氏は専門家だから自分の息子のために大学や教育まで変えられたが、同じことを普通の親に推奨するならモンスター・ペアレントになれと言っているのと同じである。家族の範疇ですることと教育側が配慮し体制を構築すべきことは区別して書かなければならない。
 最後の<参考文献>で自分の著書だけ並べているのを見て、もはやこれは医学者や研究者のすることではない。客観性をここまで欠くとは、発達障害者について新たな偏見を招きかねないとの懸念を抱いた。<著書>とすべきであり、編集者にも責任があると見る。

戻る