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 | 新書 なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか 著者名:若宮 健 | 
 | 2011-03-15 aaaさん 東京都 韓国のパチンコ事情については何も知らなかったので、驚くことが多かったです。テレビでは扱いづらい題材なので、それだけでもこの本を読む価値はあると感じました。
ただ、内容に不満を感じる点も多々あります。冒頭の筆者自身の成果を強調するくだりや、パチンコを全廃できた韓国は素晴らしくて、日本は駄目だという単純な結論には白けました。韓国は政治的な事情や、日本よりパチンコの歴史が浅い、という理由があるからパチンコの全廃ができたのであり、韓国の国会議員の資質を称える筆者の姿勢には疑問を感じます。
そもそも筆者の感想や意見が多すぎます。客観的な事実やデータは価値がありますが、筆者の感想はあまりにも単純なものが多いので、わざわざ書かなくても分るよ、と言いたくなります。
情報源があいまいなものもいくつかありました。特に「民団」の説明を、ウィキペディアから引用しているのには驚きました。ウィキペディアは匿名で書き込まれるもので誰でも書き換えが可能なため、情報の信頼性に乏しく、大学生のレポートでも引用することはご法度です。ジャーナリストとしての信用問題です。
その上、ページ数稼ぎと思えるような同じ内容の記述が多数ありました。三点方式の説明や、パチンコを禁止するべきといった内容の筆者の意見が何度も見られました。そういった無駄を省けば50~100ページ程度は少なくなると思います。
新書だからいいかげんな内容でも構わないという筆者と出版社の意向が表れています。この書評の冒頭で、この本は読む価値があると述べましたが、760円+消費税を出してまで買う価値はないです。立ち読みで十分。祥伝社に限った話ではないですが、適当な内容の本に目を引くタイトルを付けて高値で売りさばく新書の売り方にはもううんざりです。
この筆者の本も、祥伝社の新書も、もう二度と読みません。
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