2011-05-23 いぎあやこさん 鳥取県 東京の庭付き木造アパートで様々な背景をもったフツウーの人々と犬1匹が、織りなす優しくもユーモラスな物語です。
人間は多面体で、少し視点をずらすとその人間の価値が全く違うものになってくることに気づきます。
この物語に登場してくる人々の個性や背負っているものは当たり前に違うのだけど、共通点が1個だけあります。それはみんなちょっとだけ寂しいことです。しかもその寂しさを素直に表に出すことをためらっているのです。
そのせいか、互いに距離感を計りながら押しつけがましくならないように不器用に優しく寄り添いあっていきます。
薄い壁の向こうの物音が、気づけば騒音から安心へと変わっていくのが手に取るように分かります。
読み終えた後は、心が穏やかになりほっこりする物語です。
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