ジャンル・タイトル・著者名
祥伝社文庫
新釈 走れメロス 他四篇
著者名:森見登美彦
2011-06-15 エマさん 海外
読者は激怒した。必ず、何事にも手段を選ばぬその破天荒振りを遺憾なく発揮、去る者追わぬが如く落した単位の数々をものともせず、平然と面の皮厚く百万遍交差点を闊歩する、そんな阿呆を主人公と仕立て上げた、かの作家を叱咤激励しなければならぬと決意した。読者には文壇はわからぬ。読者は小都会の勤め人である。電車に乗り、世間にもまれて暮して来た。けれども文学に対しては、人一倍に敏感であった。