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カジノ解禁が日本を亡ぼす
著者名:若宮 健

2011-11-06 梶野克己さん 大阪府
(編集の方へ)
 興味深く拝読させていただきましたが、ギャンブルの市場に関して著者が大きな勘違いをされているようですので、指摘させていただきます。
 ラスベガスやマカオで出ている数字は「業務収益」(いわゆるギャンブル後の上がり)であり、日本のパチンコの売上高に対応する数字とは異なります。著者が「まえがき」で書かれているマルハンの決算で言えば、売上高から売上原価を引いた売上総利益(656億6100万円)に対応するものです。常識的に考えて、いくらマルハンが業界トップといっても、24時間ほぼ上限なく賭けられるマカオ全体の数字を上回るはずがありません。
 従いまして、まえがきとこれに関連する本文のところ(何カ所も出てきます)は再販以降手直しされた方がいいと思います。
 ついでに112ページ4行目の「5000万人」は他のページの表の数字と1ケタ以上違っています。109ページ5行目の「200億ドル」は「200億香港ドル」ではないでしょうか?
 いずれにしましても108ページや145ページにある「年間20兆円がパチンコに消える」という表現は勘違いです(競馬でいえば馬券の売り上げに相当するのが20兆円で、その75%は払い戻されています。パチンコで実際に消えているのはおそらく数千億円程度)。まあ、著者が意図的に書かれているのかもしれませんが…。
 以上、えらそうに書きましたが、私の指摘の方が勘違いの可能性もあります。一度よく調べてみてください。なお、私はパチンコ業界関係者ではありません。カジノは好きでマカオにはよく行きますが、日本ではまず成功しないと考えており、解禁にも反対です。

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