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ジャンル・タイトル・著者名
文芸書(文庫を除く)
蜩ノ記
著者名:葉室 麟

2011-11-21 松下 清さん 長崎県
背筋を伸ばしながら一気に読んだ。武士とは何か?真の主従関係とは何か?ひいては人間の生き方を考えさせられる小説であった。理想の武士像を「戸田 秋谷」に、農民の理想を「源吉」に求めながら なぜ10年後の切腹するかを解き明かす手法であった。また、秋谷とお由の方の双方の思いを「若かったころの自分をいとおしむ思い」という言葉で表現したのは、亡き藤沢周平の「蝉しぐれ」を連想させるような うまい表現であった。武士とは 男とは かくも奥深く味わい深いもののだと感じた。

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