2011-12-07 鈴木 恵美子さん 愛知県 今も昔も組織の中で生きる時、名利、打算、保身に走り、なすべき時、なすべきことを見誤る人は少なくない。人としてなすべきことをなすべき時に過たず、迷いなく成し遂げる主人公秋谷、その子郁太郎、郁太郎の友百姓の子源吉の凛とした気韻が胸を打つ。秋谷の家譜編纂手伝いを名目に監視役に送られ幽閉先の村で生活を共にするようになった庄三郎は、三年後に切腹を命じられている運命を淡々と受け入れ、一日一日を大切に生きる秋谷の人柄に感じ、いつしか彼が切腹に追い込まれた事件の真相を明らかにしようとする。それにも人としてのまことを感じる。権力悪の前にひるむことなく立つ、清々しくも美しい人々の姿を描いて感動的であった。
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