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ジャンル・タイトル・著者名
文芸書(文庫を除く)
蜩ノ記
著者名:葉室 麟

2012-02-05 中西庄左衛門さん 兵庫県
話の筋書きを追って一気に読ませて頂いたが、読後気分がすっきりしない。戸田秋谷が武士道を貫いて切腹するところは見事だが、如何に小藩とは言えもっと人材がいるはず。秋谷と兵右衛門の一騎打ちで終わると言うのは話が単純すぎる。藩主の主義主張もあるだろうし、藩内に隠密がいたり、あるいは慶仙和尚が前藩主の弟で悪政を暴くとか、人の死に天道を全うする大儀がなければならないし、正義の殺人もそれなりの報いを受けるべきだし、悪人も人でありただ殺されてざまあ見ろというものでもない。人間の生き様をこれでもかと貫いた物語の展開にもう一捻り欲しい。中途半端な終わり方で続きがさもあるかのようでどうもスッキリとしない。


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