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祥伝社文庫
密命・終の一刀 晩節
著者名:佐伯泰英

2012-06-21 田苗忠勝さん 埼玉県
ようやく完結した。最後に謎が解け、これまでの父と子の人生に一本の筋が通ったと思った。著者は、作中、しのに、「あの人はここにいる家族と縁者を集わせるために存在したと」いう内容の言葉を確か語らせている。まさに父親の存在意義そのものだ。親父の背中という表現がある。金杉惣三郎という親父の背中を見続けて、息子清之介も育ち、娘たちも歩んできた。そして妻しのは、その成り行きを迷いながらも静かに受け入れてきた。親父とは寂しいものだと思う。心で想っても、一方でその思いを断ち切らねばならない時もある。
密命シリーズは様々な余韻を残して終わった。同じ世代の親父の一人として、私の背中を妻子はどんな風にみているんだろうか、ふとそう思った。

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