|
 | 新書 日本人は、なぜ世界一押しが弱いのか? 著者名:齋藤 孝 | 
 | 2012-07-22 西内克彦さん 高知県 他国から程度の低い脅しと罵詈雑言を浴びながら、その百分の一の過激さで言い返しもせず、「冷静な対応を」と、意味不明なコメントを繰り返すわが国外交の惨状に日々、疑問と憤懣を感じていました。
そこでこの本を読んで、その根本原因が日本人の生物学的な弱さに起因するということは確認できました。しかし、こと対外関係において、政府・外務省はじめその職務に従事する者が「だから仕方がない」では済まされません。弱点を知りそれを克服して対処するのがプロではないのか。
相手国は、わが国の腰抜けぶりを承知した上で、「冷静に」やってくるのです。子どものいじめと同じで、相手が弱いとなると一層かさにかかってくる。そんな事態を放置しては、相手国の非行をも助長させることになり非常に危険です。
敗北主義は双方にとって良い結果をもたらしません。まずは当面、せめて相手の十分の一でいいから言い返すぐらいの口喧嘩の技術を身に付けること。その蓄積が大きな災厄の予防にもつながるのではないでしょうか。
弱さを克服する精神の涵養と外交上の鍛錬こそ今、もっとも求められていることであり、強いことと日本人固有の繊細な情緒とはなんら相反することではなく、両者を兼備して初めて自他共に認める日本の姿になるのだと思います。
|  |
|