2012-08-01 城 久道さん 和歌山県 従容として死に赴く秋谷と源吉の生き様は切なくも、美しい。
生きるも死ぬも紙一重。同じ領国に生まれた以上、そこで何とか折り合いを付けて暮らして行かざるを得ない農民と武士の相克および逃れようも無い彼等の運命を誰が賢しらに論評し得よう。
歴史の記録は、権力者の都合や思惑、記録者の感情移入に左右されてはならぬものであろう。
それを守り、貫こうとした戸田秋谷の人柄に、庄三郎ならぬ小生もいつの間にか心服させられているのに気付く。
それにしても「切腹」は、武士の名誉、美学と言うものの無残、残酷な事象であることも否定できまい。ただ、そこに至る武士の覚悟と、それが彼自身の或る種の納得の到達点であるなら、これもまた、軽々に批判し得ないように思える。
最近に無く、色々と考えさせられる作品であった。
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