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「太宰」で鍛える日本語力
著者名:出口 汪

2012-10-03 ヴィマラキールティさん 京都府
ふと立ち寄ると、奇異なタイトルの本があって、手にとった。「太宰」と「鍛える」?対義語である。とりあえず買ってみる。「論理と感性と語彙とレトリック」身につけば、それに越したことはない。すると、太宰の名文集になっている。しかも、太宰の伝記的記述ともなっていて、重宝である。最初の接続語で「日本語博士」に任ぜられた。いたく満足する。語彙力を「トレーニング」する。これなら、満点間違い無いと高をくくる。驚いたことに日本語中級レベルに格が下がった。悔しいというより、恥ずかしかった。日頃から太宰のファンを、人知れず、宣言していたからである。太宰との感性のズレに、ひどく恥ずかしくまた悲しかった。しかし、いい本である。気に入った。

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