2012-10-15 酢山省三さん 新潟県 半年待って図書館から借りて読みました。読み始めは登場人物の関係が複雑で自分用の「人物相関図」を作って読み続けました。何といっても「3年後に切腹」という極限的な設定が読むスピードを早めました。中ごろからの「法性院様御由緒書」を軸に展開するあたりからそのスピードもさらにアップしました。「戸田秋谷の命はいかに」「死なせないで」との願いを抱きながらも最後は超法規的などんでん返しで生きながらえるのではと切望しましたが・・・。死後、残された人物の目的を持ち、前を向いて歩いていく描き方に豊かな読後感を持たせていただきました。特に若者の庄三郎と薫の祝言、郁太郎とお春の将来は二人で歩むであろうとの伏線に希望をもらいました。戸田秋谷の生き方が庄三郎や百姓達に大きな影響を与えたことは確かですが、私は慶仙和尚の役割と存在の大きさに注目しました。
「責任を取る」「筋を通して生きる」という現代では忘れられた(特に政治の世界で)哲学的命題を我々に突き付け、社会に強い警鐘を鳴らした傑作だと考えます。
登場人物も豊かで深く描き出され、ストーリーも明確であり、是非この作品の映画化を希望します。山田洋次監督によって藤沢周平の時代物が世間に広まったように、新進気鋭の監督による映画化を切望します。綺羅星の登場人物を誰が演ずるのかもとても興味があります。
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